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● 王様その愛(笑)●

 さて、王様その愛です。
 先に指輪BBSでも書きましたが、王様とアルウェンの結婚は政略結婚だったのではないかと、そういうお話です(笑)。 
 いえ、だからと言って、レゴやフロドやボロ兄やガン爺や、まさかオークやサルマンとくっつけ!と言っているわけではないのですよ、念のため(^^;
 追補編とか読んでると、どうにも王様がアルウェンを愛していたとは思えんのですわ。
 それは何故かと問うならば!

 まず、一番決定的にそう考えたのは、王様が年を取り、お亡くなりになる時のやり取りです。 「TTT」でもちょっとだけ映像化されていましたね。あそこです。
 王様は自分のことを「最後のヌメノール人」「上古の代の最後の王」と追補編で言っています。

 ヌメノール人とは、第二紀に栄えた人間たち。もともとエルロンドの弟のエルロスを祖とする偉大な人間の王たちなんですが、彼らにはいろんな特典が与えられていました。
 寿命が長かったり(エルロスは500年以上生きたもよう。ま、彼は人間になることを選んだ半エルフなのですが)。

  力も強かったり。
  背も高く、能力も高く、とにかく美しさと寿命以外は、あまりエルフに引けを取らない人々でした。だから、第二紀最後の同盟が成り立ったわけですが。
 そして、彼らにはもうひとつ恩恵が与えられていました。
 自由に死ぬ時を選ぶ権利です。
 「俺、もう死ぬことにするわ。じゃね!」と眠るようにお亡くなりになってしまうことが可能だったわけですね。
 実際、歴代の王は、自分の世継ぎがきちんと成人し、きっちりと王座を継げるようになったら、そうして自分の人生の幕を思うように降ろしたのだそうです。いわゆる自殺ではないのですがね。自分で眠りにつく時期を選べたと、そう言ったほうがいいのかな?

 で、最後の王様・アラゴルン。
 第四紀の120年3月1日に、190歳で自分で眠りについてしまいます。
 理由は「意気地もなく老いほけて、高い玉座から転がり落ちるまで待ちたくない」から。
 この時、アルウェンが「そう。お疲れ様!」と明るく見送ってあげたのならそう悲劇的ではないのですが、この時、まだ自分の生に倦み疲れていなかったアルウェンは、アラゴルンを引き留めます。「殿のお言葉によって生きている国民をおいて、時至らぬ うちにいかれるつもりですか?」と言ってすがるんですね。
 アルウェンにしてみれば、一日でも長く生きてほしいと、当然の願いです。この時の王様は、まだしっかり会話してますし、どこか身体が悪かったとか病気だったとかいうことでもなかったようですから。文脈から想像すると、じじいとはいえ、まだ剣を取って戦うこともできたのではないでしょうか。
 それに対するアラゴルンの言葉は鬼です(^^;
 言うにことかいて、「悔い改めて港に行け。西方に行け。そうでなければ人間の運命に従え(従って死ね)」ですよ!
 こう言われたアルウェン「自分にはもう運んでくれる船もない、望もうと望むまいと人間の運命に従うほかない」と言います。
 そこまで言われてもアラゴルンは「ご機嫌よう!」と、彼女の手にキスをして直ちに眠りに陥ってしまいます(苦笑)。
 これが、自分と結婚するために不死のエルフの恩寵をすべて捨て、親族同族ともことごとく別 れて中つ国に残った最愛の王妃に言う台詞ですかっ!?
 いや、どー贔屓目に見ても、愛してないだろう(^^;
 特に「悔い改めて港に行け」 ですね。尼寺へ行けじゃないんだからさ。
 残らせた原因の自分が「悔い改めろ」とはどういうことよ? ふざけんじゃないわよっ!と、きっと映画のリブ・アルウェンだったら鉄拳が飛んできそうです(笑)。

 この後アルウェンは、ガラドリエルもケレボルンもいなくなったロリアンの森に、子ども達とも別 れてたったひとりで移り住みます。
 衰え果てた森の中、 ケリン・アムロスの丘(王様と婚約を誓った丘ですな)に、彼女は横たわり、そこに彼女の塚ができるわけですが。
 これもあんまりだと思いましたよ。
 ゴンドールの同じ墓にも入れてやらんのかいっ!?
 もっとオニアクマな事実としましては、メリピピはアラゴルンと同じ墓に埋葬されたと、きっちり書かれているところでしょうか(^^;
 この時、ガン爺とフロドとサムはすでに西に去り、ボロ兄はすでに亡く、レゴとギムリは、王様の死後に西に渡ります。
 つまり、中つ国に残っていた「旅の仲間」だけを自分の墓に入れたということだね。
 サー・イアンは、あるインタビューでこう言ったそうです。「アラゴルンの結婚は政略結婚で、本当は男友だちと旅をしているほうが好きだったのさ」。
 ……原作に証明されちゃってるところがなんとも(^^;

 だいたい、二人の婚約はとても作為の匂いがします。誰のって、ガラさまの(笑)。
 成人したての頃、まだ若い王様は、裂け谷で初めてアルウェンに会い、ルシアンと間違えて一目惚れします。この時は、「私たちは遠く血が繋がってるのね〜」とか「私はよくルシアンに間違われるのよ〜」とか、ちょっとお話をするだけです。
 でもエルロンドさまがいい返事をしませんので、野伏としての放浪生活に出るわけです。
 次にアルウェンと再会するのは、王様49歳。ロリアンにて。
 この時王様は、危険な旅からの帰り、疲れはててロリアンにたどり着きます。この時、彼はアルウェンがロリアンにいることを知りません。
  許可を与え、王様を招き入れたガラさまは、「着古した衣服を脱ぎ捨てさせ」「銀と白の衣装を着せ」「エルフの灰色のマントを羽織らせ、額に輝く宝石を一つつけさせた」んですね。「するとその姿は人間とは思えず西方の島から来ったエルフの若殿に見えた」そうです。
 こうして入念に飾りたてた後、ガラさまは王様を「金色の花がたわわに咲いたカラス・ガラゾンの木の下で」30年ぶりにアルウェンに引き合わせます。で、彼らは婚約を交わすわけですが。
 スタイリスト&プロデュースド  バイ ガラさま。
 はめられてるやん! 王様!(^^;

 エルフならばいざ知らず、20歳の頃の一言二言話しただけの一目惚れが、49歳の男に有効か!?
 それも、20歳までの王様は、多分双子と一緒にオーク狩りくらいはしてたかもしれませんが、基本的に裂け谷で苦労知らずにお過ごし。
 20歳以降の王様の人生は、あっちこっちで戦いさまよい苦労を重ねた野伏人生。激動の30年だったわけですよ。
 人生観もなにもかも変わっての、再会だったでしょう。
 婚約したとたんに「私についてくるなら、貴女は恩寵を捨てなければなりません
」と念押ししているところに、王様が恋に溺れていないところが見てとれます(苦笑)。
 この後、婚約を知ったエルロンドに「ゴンドールとアルノールの二つの国の王にならなければ、娘はやらん!」と言われるわけですな。

 この後も、結局指輪戦争が終わって結婚するまで、おそらくアラゴルンとアルウェンって、そう頻繁に会っているわけではないんです。
 アラゴルンは放浪人生。たまに帰ったとしても、それは裂け谷にでしょう。
 一方アルウェンは、エルロンドの会議の直前までロリアンにいたんですよ。
 下手すると、結婚までに会ったことは、数えるほどしかなかったのかもしれません。確実に原作に書いてある最少回数なら、3回かな? で、4回目が結婚式。まあ、それはあんまりにしても(^^;

 一方、女傑ガラさま。
 彼女が、同族のノルドールに裏切られ、氷の大地を意地でも越えて、それでも中つ国を目指したのは「広大な土地に自分の治める王国が欲しかったから」by シルマリル。
 でも、この頃、すでに第三紀の末。
 何千年と戦い、転々と住む土地を変えたガラさまは、今さら自分が人間を従えて王国のトップになることは考えなかったのでしょう。
 でも、せっかく大苦労して中つ国にやってきたのに、なにもせず西に変えるのはくやしい。そうだ! 裂け谷の婿のところに人間の王様がいるじゃないの! あれとうちの孫娘を結婚させてみたらどうかしら! そしたらうちの血縁が未来の人間の王になるじゃない。
 ……そんなことを考えながら、うきうきと王様を飾りたてるガラさま。
 目に見えるようです(笑)。
 げっそりと飾りたてられている王様も、目に浮かびます。

 以上、そんなこんなで政略結婚かな〜と。
 しかし、何度考えても一番かわいそうなのはアルウェンだなぁ(^^;
 で、結局王様、誰が一番好きだったんだ?(笑)。 >原作読んでる限りでは、旅の仲間だったような気がしますね。時点でファラミアやエオメル。
 サウロンが滅んだ後も、残党狩りで戦い続きだったようだし、せっかく王様なのに女っ気なしかぁ(笑)。

―――以上―――



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